クリスマスが近づくにつれて、あちこちでクリスマスソングが聴こえてくるようになりますね。
その中でも『赤鼻のトナカイ』は、老若男女問わずに愛されているクリスマスソングの一つです。
しかし、この曲の歌詞をじっくりと見てみると、1番しか存在しないことに気づくかもしれません。
実際、『赤鼻のトナカイ』の歌詞は1番だけという事実が明らかになります。
「通常の歌であれば、2番や3番も含まれているはずなのに、何故この曲には続きがないのだろう?」そう思ったあなたの疑問に、当記事が答えを提供します!
赤鼻のトナカイの2番は存在する?その答えをここで明らかに!
皆から親しまれている「鮮やかな鼻の~」というフレーズで始まる有名な『赤鼻のトナカイ』の話。
既に触れている通り、この歌では2番の歌詞は存在しないのです。
それについて詳しく進んで行きましょう。
「赤鼻のトナカイ」英語版の詩の考察
まずは、「Rudolph The Red Nosed Reindeer(ルドルフ、赤鼻のトナカイ)」という曲の英語版の歌詞を深掘りしましょう。
この曲は、8匹のトナカイたちが最初に名前を呼ばれ、9番目に真っ赤な鼻を持つルドルフが登場します。その後、以下のようなストーリーが展開します。
・ルドルフは他のトナカイたちに笑われ、孤立しています。
・霧が深いクリスマスの夜、サンタクロースが「ルドルフ、君の明るい鼻でソリを案内して欲しい」と頼みます。
・結果として、他のトナカイたちはルドルフを認め、彼が歴史に名を刻むであろうと称賛しました。
この物語から、
‘みんなが最終的にルドルフを認めてハッピーなエンディングと受け取る人’
と
‘ルドルフが孤立していたにも関わらず、他のトナカイたちが後で彼を称え始めた事に対して少し寂しさを感じる人’
がいるだろうと思います。
私自身は、後者の感情に共感しています。
英語版と日本語版の歌詞、大筋で一致している
次に、日本の歌詞について考えてみましょう。
「真っ赤なお鼻の~」と始まる新田宣夫の訳詞は、日本国内で非常に親しまれています。
トナカイの名前は直接的には曲中に登場しませんが、元の曲のメロディや物語全体のテーマを大方忠実に踏襲していることが見て取れます。
そして、エンディングでは「いつもないてた トナカイさんは
こよいこそはと よろこびました」という、満足感漂うメッセージで締めくくられます。
また、「サンタのおじさん」や「トナカイさん」などキャラクターへの親しみやすい呼び名、トナカイの明るい鼻を「ぴかぴか」と描写した部分などから、優しさが感じられます。
この短い歌詞の中にも子どもたちが共感やすい親しみやすさと、前向きなメッセージが詠み込まれているため、この曲は長きに渡り愛され続け、世代を超えて歌い継がれているのでしょう。
こう考えると、曲には2つのパートしかないのも納得がいきますね。
歌詞を作った人の意図を読み解き、これまでとは異なる視点から、赤鼻のトナカイの歌を愉しむことができそうです。
新たな印象を与える、多種多様な『赤鼻のトナカイ』の日本語訳詞
『赤鼻のトナカイ』の日本語翻訳版は、意外なほど多くのバリエーションを持っています。
一部の翻訳はあまりメジャーではないため、多くの人々が認識していないかもしれません。
その中には2番目の歌詞が追加されていたり、トナカイの名前がルドルフになっていたり、原曲にはないイエス・キリストが登場するものまで含まれています。
これらのバリエーションによって、新鮮な印象を得ることができます。
詳細については、自分で調査してみると楽しいでしょう。
特異なキャラクター、”赤鼻のトナカイ”とその背景にある感動的な物語
「赤鼻のトナカイ」という言葉は、英語では“Rudolph the Red-Nosed Reindeer”となり、日本語では「ルドルフ、赤い鼻のトナカイ」として知られています。
愛する家族を思いやる父親の手によって紡がれた物語
この物語は、自らの家族へ深い愛情を持つ父親が心を込めて作り上げたものです。
1939年に、この物語を生み出したのはシカゴの広告コピーライターであるロバート・L・メイでした。
彼はこの物語を、愛する娘のために創り出しました。
彼の妻である娘の母親は当時、重い病と闘っていました。
その悲壮な状況の中で4歳の娘バーバラは「どうしてお母さんは他の人たちと違うの?」と、心配そうに父親に質問しました。
自身が子供の頃、ロバートの体は小さく、イジメに遭い折角の学びの機会も得られていませんでした。
その背景もあり、家族三人で生計を立てる現在でも、厳しい経済状況が続き、少ない収入の全てが妻の医療費に消えていくという厳しい状況でした。
異端者であった自身の幼少期と、患い続ける妻の姿から大きな恐怖を感じていた娘に対し、ロバートは彼女に勇気を与えるために、「赤い鼻のトナカイ、ルドルフ」という物語を語り始めます。
その時期、娘のバーバラは鹿が大好きで、トナカイはクリスマスシーズンにぴったりの存在でした。
バーバラはその話に深く感銘を受け、ロバートはクリスマスプレゼントとしてこの物語をまとめた絵本をプレゼントしました。
この絵本が完成する直前に亡くなった妻も、きっと天国から喜んで見守っていたでしょう。
全世界から賞賛を受けた作品の広がり
ある特別な集会で、「ルドルフ赤鼻のトナカイ」が披露されたとき、会場は温かな祝福の拍手で包まれました。
この広く賞賛されている物語はもともと1939年に、企業の宣伝活動の一部として無料配布されることとなったのです。
その物語は全世界に広まり、ベストセラーとなりました。
そして1949年には、ロバートの義弟、ジョニー・マークスがロバートの詩を元に一曲を作曲しました。
そう、それこそが大衆に愛されている「ルドルフ赤鼻のトナカイ」の歌なのです。
このクリスマスソングは世界中で引き続き愛されており、多くの人々に親しまれてきました。
ルドルフ赤鼻のトナカイの物語は、愛する家族から生まれた作品だったのです。そのエピソードを知ると、すっと胸が温まりますね。
まとめ
私たちが歌う「赤い鼻のトナカイ」には、実は第二節は存在していません。
さらに、その歌詞内容は子どもたちが理解しやすいように、原作に忠実な形で翻訳されていることが明らかになりました。
「真っ赤な鼻のトナカイ」の歌は、クリスマスシーズンに子供たちと一緒に心を通わせる絶好のチャンスです。
その歌を歌い、その物語を共有することを提案します。
素晴らしいクリスマスをお過ごしください。