揚げ物を上手く作るのはなかなか大変ですね。
たとえば、唐揚げの場合、小さな失敗ならごまかせますが、フライに関しては衣が剥がれる問題がしばしば発生し、上手に作るのが難しいです。このような悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。
今回の記事では、フライの衣が剥がれないようにするコツや、お店のように見栄えの良い厚い衣を作る方法をご紹介します。
フライの衣が剥がれるのはなぜ？
原因と対策～肉料理編
フライの衣が剥がれやすい主な原因はいくつかありますが、特に肉を使ったフライの場合、加熱により肉の繊維が収縮し、その結果衣が追従できずに剥がれてしまいます。
例えば、トンカツを作る際には、衣をつける前に肉の筋切りをすることが剥がれにくくするポイントです。
また、トンカツに適した肉の選び方も重要です。ロースやフィレなどの部位を選ぶことをお勧めします。一方、筋が多い肩ロースは扱いが難しいですが、小さく切って一口カツにすることで上手くいくことがあります。
フライの衣が剥がれる理由について
フライ料理において、肉以外の具材でも同様に衣が剥がれることがあります。主な原因を解説します。
1. 小麦粉の過剰な使用
フライの下処理として最初に使用する小麦粉が多すぎると、衣の剥がれやすさが増します。小麦粉をまぶした後は、不要な粉を軽く叩いて取り除くことが重要です。
2. パン粉の不適切な塗布
パン粉をしっかりと固定させるためには、適切に押し付ける必要があります。ただ早く付けるだけでは、衣が剥がれやすくなります。
具体的な手順は以下の通りです。
(1) 揚げる具材をパン粉の上に置きます。
(2) パン粉を具材の周りに均等に押し付け、余分なパン粉を軽く払います。
(3) 手早く塗布するのではなく、丁寧に作業を行うことで衣がしっかり固定されます。
3. 揚げ油の温度が不適切
油の温度が低いと、衣がカリッとせずに剥がれやすくなります。適切な油温は中温（約170～180度）で、菜箸の先から細かい泡が出る程度が目安です。
揚げ始めは衣が固まるまで触らず、色がつくまで待つことが重要です。また、油温が下がらないように、少量ずつ揚げるのが最適です。
カリカリとした厚みのあるフライの衣の作り方
フライの衣をより厚くカリカリにするための簡単なテクニックは、通常の卵とパン粉の方法を変え、バッター液を使うことです。
バッター液は、小麦粉、卵、水をそれぞれ同じ割合で混ぜ合わせたもので、多くのプロの料理人が好んで使用しています。
バッター液を使うメリットは以下の通りです。
● 肉のジューシーさを保ちながら、美味しく仕上がる
● 油の劣化が遅くなる
● 通常の方法と比べて、衣が油を少なく吸う
● 粗いパン粉が付きやすく、見た目も美しく整形しやすい
● レバーのように衣が付きにくい食材も、簡単にコーティングできる
これらの利点から、バッター液はフライ作りにおいて非常に便利な選択肢とされています。
サクサクフライのコーティング秘訣
バッター液を使ったフライの作り方をご紹介します。
(1)まずは、ボウルに卵、小麦粉、水を入れてしっかり混ぜ合わせます。基本の割合は、卵1個、小麦粉は大さじ8（約72グラム）、水や料理酒は大さじ5（約75ミリリットル）が目安です。料理酒を使用すると、揚げるときに余分な水分が飛びやすく、サクサクの仕上がりになります。料理酒が手元になければ、水や牛乳でも代用できます。
(2)次に、準備した具材にバッター液をまんべんなく絡め、その後パン粉を均一にまぶします。直接バッター液を塗る方法もありますが、先に小麦粉を薄く振ることで、バッター液の付着が均等になります。
(3)衣を厚くしたい場合は、具材にバッター液を再度塗り、さらにパン粉をまぶす作業を繰り返します。この手順を何度か行うことで、より厚いコーティングを施すことができます。他にもコーティングを厚くする方法が存在します。
伝統的な方法でフライの衣を厚くする
1. まず、食材に小麦粉を薄くまぶし、余分な粉は払い落とします。
2. 次に、ボウルで卵を軽くかき混ぜ、その後約1/2カップの牛乳を加えてよく混ぜ合わせます。その卵液に食材を浸します。牛乳を加える理由は、必要に応じて卵液を増量するためです。通常、薄い衣を好む場合には、この工程は省かれます。
3. 衣を均等に厚くするため、上記のプロセスを数回繰り返します。
4. 最終的に、食材にパン粉をしっかりとまぶします。
最後に
家庭で市販のフライと同じような厚い衣を作ることは、初心者にとっては少し難しいかもしれません。
市販のフライは中身が薄く、衣だけが厚いものもありますが、良質なフライは衣がサクサクしていて大変美味しいものです。
食材を「二度浸し」して、パン粉をしっかり押し付け、適切な温度で揚げることで、美味しいフライを作ることができます。
