2024年のお盆には、いつからいつまで飾り付けをすれば良いのでしょうか?
この記事で、お盆飾りの設置と撤去の適切な時期について詳しく解説します。
お盆の意味とその起源
お盆は、仏教の重要な行事で、「盂蘭盆会(うらぼんえ)」や「盂蘭盆(うらぼん)」とも称されます。
この行事は奈良時代から続く伝統で、お盆の期間には先祖の霊が故郷へ戻るとされています。
家族や親族が一堂に会し、先祖を家に迎え入れて感謝を捧げ、生きている者たちの幸福と平安を祈るための行事として、広く行われています。
お盆の装飾について
お盆の装飾は、お盆期間中に故人の霊を迎えるための特別な飾りつけです。
装飾の内容や方法は地域や宗派によって異なりますが、一般的には以下のものを用います。
● 盆提灯
● ほおずき
● 精霊馬(しょうりょううま)
これらを「盆棚(ぼんだな)」に展示します。
盆棚は、お盆の際に供え物や装飾を置くための棚で、「精霊棚(しょうりょうたな)」や「先祖棚(せんぞたな)」とも呼ばれ、通常は仏壇の前に設置されます。
盆提灯の役割と種類
盆提灯はお盆の際に先祖の霊が家へ帰る道しるべとして用いられるものです。
通常、ペアで設置されることが一般的ですが、一つだけでも構いません。
盆提灯を飾る数に特別な規則はなく、多くの提灯を飾ることは、故人が多くの人に愛されていたことを示す意味があることもあります。
提灯の設置スタイルは多様で、天井から吊るすタイプや仏壇の横に置くタイプがあります。
また、回転灯が内蔵された提灯もあり、回転することによって美しい絵が浮かび上がるものも存在します。
ほおずきの役割
ほおずきは、お盆の時に先祖の霊が帰宅する際の印として用いられることがあります。
この期間、ほおずきには先祖の魂が宿ると考えられています。
精霊馬の意味
精霊馬は、きゅうりとナスで作られ、爪楊枝や割り箸を使って足を作り、動物の形に見立てます。
これは先祖の霊が乗る乗り物とされ、きゅうりの馬は先祖が迅速に帰ってくるための象徴であり、ナスの牛はゆっくりと旅をする象徴です。
季節の供物
夏の旬を迎える野菜や果物を供えることは、先祖を迎える際の重要な役割を担います。
これらの供物は、先祖が喜びを感じると信じられています。
迎え火と送り火、お盆の伝統的な行事
お盆の期間中、ご先祖様が迷わずに帰ってこれるように「迎え火」を灯します。
また、お見送りの際には「送り火」を行います。
「迎え火」と「送り火」は、お盆の飾り付けとは異なる役割を持つ重要な行事です。
これらは通常、お墓の前や家の玄関前で行われ、地域や宗派によって実施方法が異なります。
特に京都の五山の送り火は、壮大なイベントとして広く知られています。
2024年(令和6年)お盆の期間について
お盆は通常、8月15日を中心に行われることが多いですが、地域によっては7月15日を中心に祝うこともあります。
お盆の期間は、先祖がこの世に滞在する4日間とされています。
それでは、各地域の具体的な日程を確認していきましょう。
7月にお盆を迎える地域
お盆の期間:2024年(令和6年)7月13日(土)から7月16日(火)
日にち | 日程 |
7月13日(土) | ご先祖様をお迎えする日で「盆の入り」または「盆入り」といいます。 |
7月14日(日) 7月15日(月) |
ご先祖様が家で過ごす日で「中日(ちゅうにち)」といいます。 |
7月16日(火) | ご先祖様を送り出す日で「盆の明け」または「盆明け」といいます。 |
8月にお盆を迎える地域
お盆の期間:2024年(令和6年)8月13日(火)から8月16日(金)
日にち | 日程 |
8月13日(火) | ご先祖様をお迎えする日で「盆の入り」または「盆入り」といいます。 |
8月14日(水) 8月15日(木) |
ご先祖様が家で過ごす日で「中日(ちゅうにち)」といいます。 |
8月16日(金) | ご先祖様を送り出す日で「盆の明け」または「盆明け」といいます。 |
2024年のお盆飾りの設置と撤去のスケジュール
お盆飾りの設置開始日に明確なルールは存在しませんが、多くの家庭ではお盆前の12日から飾りつけを始めるのが一般的です。
また、月初めからお盆の飾りつけを始める家庭もあります。
お盆飾りは、ご先祖様を迎え、敬うためのものですから、13日のお迎えの日までには全ての準備を整えることが望まれます。
2024年(令和6年)の設置日は以下の通りです。
7月にお盆を迎える地域:7月12日(金)
8月にお盆を迎える地域:8月12日(月)
お盆飾りの撤去
お盆飾りの撤去に固定の期限はありませんが、一般的にはご先祖様を送り出す17日に撤去します。
地域や家庭によっては、16日に送り出し、同日に撤去することもあります。
2024年(令和6年)の撤去日は以下のように設定されています。
7月にお盆を迎える地域:7月16日(火)または17日(水)
8月にお盆を迎える地域:8月16日(金)または17日(土)
お盆の飾り物の片づけと処理の適切な方法
お盆が終わると、来年も使う盆棚や提灯は保管し、精霊馬やほおずきなどの使い捨てアイテムは適切に処理する必要があります。
かつてはこれらを川に流したり、庭で焼いたり、土に埋めることが一般的でしたが、現代ではこれらの方法は適切ではありません。
以下、主な処理方法を紹介します。
お寺でのお焚き上げ
地元のお寺や頻繁に利用するお寺で供養を兼ねてお焚き上げを行うことができます。
これはアイテムを焼くことによって行います。
通常のゴミとしての処理
アイテムを塩で清めた後、白い紙(半紙など)で包み、通常のゴミとして処分します。
この際、地域のゴミ分別ルールの確認が重要です。
地域や家庭によって異なる慣習があるため、無理なくできる方法を選ぶことが大切です。
お盆の飾り物はご先祖様をおもてなしするためのものですから、設置や片づけの際には感謝の心を込めて丁寧に扱いましょう。
毎年のことですが、飾り方を忘れることもあるため、不明な点はお寺に相談すると良いでしょう。